Producer

生産者さんのご紹介

MUKUで使っている食材は、手間ひまを惜しまず愛情たっぷりに育てられたものばかり。
生産者さんたちの熱い想いが詰まった食材だからこそ、美味しさは保証済みです。
そのストーリーとともに、ぜひMUKUの料理を楽しんでください。

八雲牧場
循環型畜産の結晶「草熟北里八雲牛」

八雲牧場

北海道二海郡八雲町

私たちが「八雲牧場(北里大学獣医学部付属フィールドサイエンスセンター)」を訪ねたのは、牛たちが自然分娩で子を産み、限りなく自然に近い環境で生活している実態を学びたいという想いからでした。迎えてくださったのは北里大学獣医学部の小笠原先生。弱い子牛が生まれた場合、キツネなどに襲われる可能性もあるという厳しい現実も存在する自然環境の中、牛たちが群れを成して悠然と暮らしている姿を目の当たりにし、私たちは驚きと感動を覚えました。

同牧場では、家畜の糞尿を土壌に還し、牧草を育て、その牧草を牛が食べ、再び土へと還していく循環型の畜産の実践にも取り組んでいます。この美しい循環が、環境を守りながら、持続可能な未来を築くための大切な方法であることを教えていただきました。牛たちはただお肉を提供するための家畜ではなく、自然の中で自分たちの役割を果たしながら、伸び伸びと生きているのです。小笠原先生が「アニマルウェルフェア」という言葉をわざわざ使うことをあまり好まず、「牛が好きで、自然に循環することが当たり前」と話されていたことも印象的でした。その言葉からも、この牧場の哲学が深く感じられました。

「MUKU」では、「八雲牧場」で育てられた、健康的で栄養豊富な牛肉「草熟北里八雲牛」を提供しています。美味しい料理とともに、私たちが牧場で体験した「牛が本来あるべき姿で生き、自然と共生することの大切さ」をもお伝えできたら幸いです。

良葉東部
水耕栽培育ちの瑞々しいベビーリーフ

良葉東部

宮城県石巻市

東日本大震災で津波の被害を受けた石巻市立大川中学校跡地に、2014年春、「良葉東部」という会社が設立されました。読み方は「イーハトーブ」。宮沢賢治の作品『注文の多い料理店』に登場する理想郷「イーハトーブ」から引用した名前で、豊かな自然環境と地域の人々が再びこの地に戻ってこられるようにと、再興の願いを込めて農業を始めたそうです。農業法人「良葉東部(イーハトーブ)」の主な商品は、ベビーリーフ。ルッコラ、ミズナ、ピノグリーン、レッドオーク、ターサイ、コロロッサといった葉物野菜の若菜を組み合わせたものです。

この商品の特徴は、さまざまな設備を整えた水耕栽培式植物工場で、播種から収穫までの約3週間、農薬や化学肥料を使用せずに栽培されていること。収穫時も、葉を傷つけないようにスタッフの方が手作業で1枚1枚摘み取っているといいます。また、ハウス内全体の室温調整を行うのではなく、栽培ベッドのみを一定の温度に保つシステムを採用しているため、エネルギーコストと環境負荷を大幅に軽減できるのだそうです。

水耕栽培ならではの瑞々しさ、やわらかさが特徴のベビーリーフ。シャキシャキという歯ざわりが心地よく、えぐみが少ないため、野菜の若葉が多く含むビタミンやミネラルをたっぷりと摂取することができそうです。東京の有名ホテルでも愛用されている同商品、「MUKU」では「パワーボール」でご提供しておりますので、ぜひ一度ご賞味ください。

坂根牧場
最新技術と愛情が育んだ赤身牛肉&乳製品

坂根牧場

北海道広尾郡大樹町

現在4代目の坂根さんが率いる「坂根牧場」は、「アニマルウェルフェア畜産認証」を持つ北海道の牧場です。「アニマルウェルフェア畜産認証」とは、畜産動物が快適に過ごせる環境を整えている牧場に与えられる認証で、一般社団法人アニマルウェルフェア畜産協会が運用している制度です。坂根さんは、牛たちがなるべくストレスを感じない環境づくりを進めるため、海外での経験を活かしつつ、新しい技術を積極的に取り入れ、常に挑戦を続けています。牧場視察に伺った際、坂内さんのパワフルでユーモアに富んだトークとともに、牧場の明るい未来を語る姿が印象に残りました。牧場では牛の快適さを第一に考え、フリーストール(牛の寝床が1頭ごとに区切られている)とフリーバーン(牛が好きな場所で寝られる)という異なる飼育方法を併用。

また、AI搭載の首輪を使用して牛の健康状態を管理し、牛肉や生乳の品質を高く維持しているほか、牛舎に溝をつくることで牛が足を滑らせてケガをしないような工夫もされており、細やかな配慮から牛への愛情を感じることができました。

「MUKU」では、「坂根牧場」で育まれたブランド牛肉「草乃牛」、ブランド牛乳「乳Life」、そして自社製チーズを使用しています。「草乃牛」は赤身の力強さが味わい深く、「乳Life」は、優しい口当たりがが特徴です。土づくりからこだわる「坂根牧場」の逸品たちを、ぜひゆっくりとお楽しみください。

宇都宮大学農学部附属農場
教育研究の最前線から届く特別な牛乳&チーズ

宇都宮大学農学部附属農場

栃木県真岡市

宇都宮大学農学部は附属農場を持ち、農業・食・生命・環境をキーワードに、畜産・園芸・作物・機械分野での教育研究を実践しています。畜産分野では、乳用牛と肉用牛を約30頭ずつ飼養管理し、広大な牧草地を活かして放牧。地元企業との連携により、付属農場産の生乳を100%使用したブランド牛乳「純牧」、モッツァレラチーズ、バター、焼き菓子などを製造・販売しています。

「純牧」は2020年3月、持続的な農業生産と食の安全を推進するための制度「JGAP」に認証され、同年7月より、牛乳としては日本で初めて「JGAP農畜産物ロゴマーク」を添付して発売されたことでも話題となりました。

農場を訪ねた私たちを迎えてくださったのは、農場長を務める長尾教授。到着後は特別に教育実習にも参加させていただき、農業の役割、環境との関わりなどを丁寧に教えていただきました。牛舎見学では、排泄物が自動で流れていく設備を見て驚愕。日々の研究により、牛の飼養環境は進化し続けているのだと実感しました。また、同農場では堆肥も生産し、近隣の農家さんやホームセンターに提供しているとのこと。循環型農業を率先して実践していることがわかりました。

そんな宇都宮大学農学部生まれの牛乳やチーズを、「MUKU」でも扱わせていただいております。これからの日本の農業を担っていく農学部の学生さんたちが、丹精込めて育ててくれた大切な品々です。ぜひ一度皆さんもご賞味ください。

丸伸丸漁業
未来の海と漁業を守る旨味たっぷりの牡蠣

丸伸丸漁業

宮城県石巻市

世界三大漁場の一つ“三陸・金華山沖”を擁する石巻は、新鮮でとびきり美味しい魚介類の宝庫。マグロ、サバ、サンマ、カツオなど、さまざまな種類の魚が年間を通して水揚げされます。また、石巻は養殖業も盛ん。栄養豊富な海で育てれられた牡蠣やホタテ、ホヤは、他では味わえない美味しさで地元民も観光客も魅了しています。私たちは石巻の美味しい牡蠣の仕入れ先を探し、数多くの生産者の中から「丸伸丸漁業」に行き着きました。

代表の江刺さんは、石巻市の牡鹿半島でASC認証(※)を取得した牡蠣を養殖しています。地元の漁師たちが慕う頼れる兄貴分。美味しい牡蠣を消費者に届けるための努力を惜しまず、朝から夜まで休むことなく動き続ける姿が印象的でした。そして、お誘いいただき参加した江刺家のBBQパーティーで食べた牡蠣のアヒージョが絶品。江刺さんの牡蠣は旨味がたっぷりと詰まっており、一口食べると豊かな風味がふわっと広がるのです。地元のフィッシャーマンの間で「これを食べたら他のは食べられない」と噂になっているという話にも、納得の美味しさでした。

地元の自然と調和し、持続可能な方法で育てられ、未来の海と石巻の漁業を守る力を持つ「丸伸丸漁業」の牡蠣。現在は「プレート」でお出ししておりますので、お酒を飲める方はワインや日本酒とのマリアージュもご堪能ください。

(※)ASC認証 :水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)が定める基準を満たし、環境や社会への影響を最小限にした責任ある養殖の水産物に与えられる証。

Pain bagnat
仏産小麦と天然酵母のカンパーニュ

Pain bagnat

宮城県仙台市

仙台市青葉区柏木の細い道の途中に、パン好きが通う人気ベーカリー「Pain bagnat」(パン・バーニャ)があります。「MUKU」のディレクターKyokoも長年、同店の大ファンです。オーナーはベーカーでもある高橋さん。フランスでの研修経験から、グルテンが少ない美味しい小麦粉を探し求めフランスから輸入し、小さな工房にて一人でパンを焼き始めました。
カンパーニュとは、フランスの「田舎風パン」を意味するフランスパンの一種です。外側はパリッと、中はもちもちの高橋さんのカンパーニュは、フランス産の小麦粉、良いお塩、水のみでつくられる16世紀頃の製法そのままで焼かれています。イースト無添加で、匂いや味に敏感な方やグルテン少なめを求める方にも安心してお召し上がりいただける美味しいパンです。お店に立つ高橋さんのお母さんが、「最初は難しくても美味しくて良いものをつくっていればお客さんは必ずわかってくれる」と話していたことが心に残っています。
「MUKU」では、高橋さんが丁寧に焼いたカンパーニュをカリッとトーストして、新鮮なサラダや具だくさんのスープと一緒にお出ししています。「Pain bagnat」は、2025年1月、同じ場所で新店舗をオープンさせるとのこと。バージョンアップしたお店に伺えることを、私たちも心から楽しみにしています。

Fattoria AL FIORE
自然の力を最大限に活かしたワイン

Fattoria AL FIORE

宮城県柴田郡川崎町

2005年、仙台に小さなイタリア料理店「AL FIORE」が誕生しました。「AL FIORE」とは、イタリア語で「花」の意。「みんなを魅了させ続ける1輪のお花が、やがてタネをこぼし、もっと多くの人々の心を魅了するお花畑になったらいいな」という、オーナー目黒さんの想いが込められているそうです。その後目黒さんは新たな夢を追い、次なるステージへ。自然豊かな川崎町で、ワイナリー「Fattoria AL FIORE」を開いたのです。

「Fattoria AL FIORE」の特徴は、廃校となった小学校の校舎を再利用し、酸化防止剤を使わず、自然の力を最大限に活かしたワインづくり。また、「農家を辞めさせない」という強い信念により、自社栽培のぶどうはもちろんのこと、宮城や山形など、近隣の農家からぶどうを仕入れ、各々の特徴を活かしたワインをつくっています。自然とともに誇りを持って生き続けられるような環境を守り、価値あるものに変えていく姿勢は、尊敬せずにはいられません。

目黒さんの“お花畑”の一部をお届けすべく、「MUKU」では「Fattoria AL FIORE」のワインを数種類提供させていただいております。たくさんの情熱が集まって熟成された1杯を、心ゆくまでお楽しみください。また、ワインは一期一会。毎年少しずつ異なるぶどうの甘みや酸味、熟成度合いから、雄大な自然の力を感じていただけたら嬉しいです。

仁井田本家
風土と人が醸す生酛仕込みの日本酒

仁井田本家

福島県郡山市

福島県の山あいで、300年以上続く伝統を守りながら新しい酒造りに挑む蔵元「仁井田本家」。看板ブランドは「しぜんしゅ」で、自然食を推奨する団体から「自然栽培の米で日本酒を造って欲しい」との依頼を受け造り始めたといいます。農薬や化学肥料を使わずに育てた“自然米”を原料とし、より自然の状態に近づけるため年々改良を重ねた結果、2015年からは江戸時代に主流だった“生酛仕込み(きもとじこみ)”に切り替えることとなり、複雑で手間がかかる分、米の旨みと甘さを最大限に引き出すことできるようになりました。

そして2017年より名称を「にいだしぜんしゅ」とし、現在に至ります。酒蔵を見学させていただいた際に感じたのは、「仁井田本家」が常に「人のためになること」を考えているということ。会社としての使命を「日本の田んぼを守る酒蔵になる」と定め、お酒を造るだけでなく、飲む人の健康や環境への配慮を第一に考えているのです。蔵人たちが丁寧に手作業で醸すお酒には、自然とともに生きる彼らの想いが一杯に詰まっているのだと思いました。

「にいだしぜんしゅ」は、米そのものが純粋な“自然米”ならではの味わいが特徴。雑味が少ないため、通常の酒米より低い精米度でも、なめらかに澄んだ風味のお酒に仕上がるといいます。仕込んだ年ごとの風土の物語が詰まった日本酒。きっと一口ごとに自然の恵みと蔵人の情熱を感じられることと思います。

JIN COFFEE.
フェアトレードの豆を丁寧に自家焙煎

JIN COFFEE.

宮城県石巻市

私の地元・石巻にあるコーヒー豆ショップ「JIN COFFEE.」。有機栽培・栽培期間中農薬不使用(organic)および自然栽培(pure organic)の生豆を使い、高い技術で自家焙煎する豆が人気で、現在は本格的な焙煎豆販売に向けた準備の真っ最中です。
健康に関する幅広い知識を持つ社長・ジンさんは、自然の食材を重んじて「As Is. ~そのまま」を掲げ、人々が食と身体の健康によって幸せになることを常に願う人物。その傍らでは、コーヒーに対する深い愛情を持つゴン太さんが焙煎を行っています。
「JIN COFFEE.」の特徴の一つが、フェアトレードの豆を強く推奨している点です。フェアトレードとは、発展途上国でつくられた農作物や製品を適正(フェア)な価格で継続的に取り引き(トレード)することにより、発展途上国の方々の生活を支える貿易のこと。コーヒーを通じて世界の人々に“持続的に貢献”するという考え方に私たちは感銘を受け、豆を卸してもらいたいとお伝えして承諾いただき、特別に先行販売にて契約させていただきました。
私たちが最初に飲んだあの感動を皆さんに味わっていただきたいとの思いで、「MUKU」では1杯ずつ丁寧にハンドドリップでご提供することにしました。なぜか心をフラットにしてくれる「JIN COFFEE.」のこだわりと愛情がぎゅっと詰まった1杯を、どうぞお楽しみください。

結城果樹園
旬の美味しさを搾ったりんごジュース

結城果樹園

宮城県亘理郡亘理町

亘理町で三代にわたって果樹栽培を行う「結城果樹園」の代表を務める結城翔太さんは、東日本大震災の被災経験や、アメリカでの農業研修を経て、家業の継承を決意。祖父の代から続くこだわりの栽培方法を守りながら、自然に優しい農業を実践し続けています。

結城さんが育てている果物は、主にりんご、もも、さくらんぼ、ぶどうなど。りんごは「ふじ」「秋映」「シナノゴールド」などの品種を栽培しています。

冬に収穫を迎える「ふじ」の特徴は、美しい色合いと香り、そして豊かな甘さ。長野生まれの「秋映」は、酸味と甘みのバランスが絶妙です。そのまま食べても十分に美味しいりんごたちですが、「結城果樹園」では、季節ごとに異なる旬の品種を合わせて搾り、自家製りんごジュースを製造。添加物不使用、りんご本来の甘さとフレッシュな味わいをそのまま詰め込んだジュースは、自然の恵みを大切にする結城さんの農業哲学をも感じさせてくれます。

美味しいだけでなく、三代にわたる農園の歴史、栽培への情熱、甚大な津波被害からの復興を伝えてくれる特別なりんごジュース。「MUKU」ではいつでもどなたにでもご注文いただけるよう、オールタイムメニューとしてご用意しています。りんごジュースをご賞味後、「結城果樹園」の果物そのものも食べたい!と思った方は、ぜひ亘理町へ。特設の自動販売機から、鮮度抜群の果物を気軽に購入することができますよ。

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